契約書の種類と作成の注意点

製造業、IT関連、人材派遣業、小売業、不動産・建設業、金融など、業種によって利用する契約書の種類や特徴はさまざまです。

ここではいくつかの代表的な業種において利用される契約書についてご説明します。

 

1 製造業

製造業においては、原材料の購入や製品の供給の場面で動産の売買契約が締結されます。

原材料の購入や製品の供給は、同一の取引相手との間で継続的に行われることが多いので、取引基本契約を締結し基本契約に基づく発注・受注の形式を採ることが一般的です。

また、製造業においては新たな技術を開発するための研究や試作が不可欠ですので、そのような技術開発過程において、技術開発契約、共同研究開発契約、特許実施契約等を締結することがあります。

これらの契約においては、自社の技術・ノウハウ等が社外に流出することを防ぐために秘密保持契約を締結することが必須となります。

 

2 IT関連

IT関連では、ソフトウェア等の開発・制作委託契約、ライセンス契約、メンテナンス契約、コンサルティング契約等が考えられます。

ソフトウェア等の開発・制作は、委託者側に専門知識がないことから、不十分な記載の契約書が締結され、後に成果物の出来をめぐって紛争に発展することがありますので注意が必要です。

また、昨今のビジネスはシステムやアプリケーションの運用に依存することが多いため、バグの修正、セキュリティ対策等が大変重要となります。

メンテナンス契約においては、どのような内容の保守点検が作業対象となるのかを明確にする必要があります。

 

3 人材派遣業

人材派遣業においては、労働者派遣基本契約書を締結し基本事項を定めた上で、派遣労働者の従事する業務内容、就業場所、就業期間、その他労働者派遣に必要な細目について個別の労働者派遣契約が締結されます。

人材派遣後のトラブルを回避するため、基本契約・個別契約のいずれにおいても合意事項を明確にすることが重要です。

 

4 小売業

小売業においては、問屋・商社などから商品を仕入れる際の売買契約書や下請業者に商品の製造を依頼する請負契約書が締結されます。

これらは同一の取引相手との間で継続的に行われることが多いので、取引基本契約を締結し基本契約に基づく発注・受注の形式を採ることが一般的です。

さらに、どのような形態で商品を販売するかに応じ、店舗に関わる賃貸借契約、什器備品リース契約、雇用契約、ショッピングモールなどの出店契約(消化仕入契約)、販売代行委託契約等が締結されます。

eコマースを展開する場合には、サイト制作業務委託契約、コンサルティング契約、サイト運営委託契約等の締結も考えられます。

 

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