法人破産と同時廃止

破産手続には、以下のとおり大きく分けると2つの類型があります。

① 管財事件
② 同時廃止事件

まず、管財事件についてご説明致します。

これは、裁判所によって破産管財人が選任され、その破産管財人が破産者の財産を調査・管理・換価処分して、債権者に弁済や配当をするという手続であり、破産手続の基本類型となります。

次に、同時廃止事件ですが、これは、債権者に弁済・配当できる財産がないことが明らかである場合等に、破産管財人を選任しないまま、破産手続開始決定と同時に破産手続廃止決定を行うというものです。

同時廃止事件においては、管財事件と違い、破産管財人が選任されませんので、当然、破産管財人による調査や換価処分などはなく、簡易な手続だけで破産手続が終結します。

また、破産管財人が選任されないので、破産管財人に支払う報酬が不要となるため、予納金も非常に少額で済みます。

以上の説明をお読みになられた方々はおそらく、手続が簡易で、しかも、予納金が必要でない同時廃止事件として処理して欲しいとお思いになるかと思います。

しかし、法人・会社の場合、個人の場合よりも多くの利害関係人がおり、また契約関係も清算する必要があります。

また、基本的に法人・会社名義の資産のすべてを処分しなければなりません。

したがって、破産管財人による調査や契約関係の処理、財産の換価処分をまったくしないで破産手続を終結させると、後に契約関係や財産が発覚したときに大きな問題となってしまいます。

そのため、実際には、法人・会社の自己破産手続において、同時廃止となることはほとんど無く、ほぼ管財事件となります。

現在の東京地方裁判所の扱いでは、法人については、同時廃止を一切認めていません。

このように、法人の自己破産の場合、必ず管財人弁護士が選任されますので、20万円以上の引継予納金が必要になります(準備すべき予納金の金額は、法人の規模や負債額、債権者数などによっても異なりますので、詳細は、ご面談の際にお話いたします)。

このように法人の場合、同時廃止はできませんが、引継予納金が必要になったとしても、何も手を打たずに時間が過ぎ、破産手続を行う費用すら捻出できなくなるようなことは絶対に避けなければなりません。

まずは、当事務所にご相談下さい。

 

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