Ｍ＆Ａのメリット

Ｍ＆Ａは、買い手と売り手企業の双方に大きなメリットをもたらします。

買い手側のメリット

企業にはシェア拡大による競争力の強化や異業種参入による経営多角化など、いろいろな面での成長戦略がありますが、いずれにしても、これを一から始めたのでは顧客の拡大、人材の確保、ノウハウの取得等に膨大な時間と労力がかかります。

しかし、Ｍ＆Ａによって同業他社を買収すればシェア拡大という目標が瞬時に達成できますし、異業種の他社の買収であれば経営多角化という目標が瞬時に達成できます。

すなわち、買い手にとってのＭ＆Ａは、創業に必要な時間と労力を省略できるというメリットがあります。

そのためには、勿論対価が発生しますが、一から創業する場合と比べて、金銭的なコストも遙かに安く収まる可能性が大です。

中小企業における最重要課題は「事業承継」だと言っても過言ではありません。

そして、事業承継問題の一つに適切な後継者が見つからないという問題があります。

Ｍ＆Ａによれば、従来の経営者は企業を維持したままで経営から退くことができます。

これは売り手企業のステークホルダーである取引先や従業員にとって大きなメリットになります。

勿論、Ｍ＆Ａは、何より経営者にとって大きなメリットがあることは言うまでもありません。

Ｍ＆Ａの対価に対する課税は税率を低く抑えることができますので、売り手はいわゆる創業者利得を享受することができます。

また、付随的に個人保証・担保提供から解放されるというメリットもあります。

売り手側にとっては、事業を手放すにあたって対価の確実な回収ができないことが最大リスクです。

買い手側にとっては対価に見合った価値のある事業を取得できないことが最大リスクです。

いずれのリスクの回避のためにも、事前に、営業的観点や財務的観点だけではなく、法務的観点からの綿密な検討をしておく必要があります。