労働・労務に関するトラブル対策

1 労働事件特有の手続、「労働審判」

労働・労務に関する事項について個々の労働者(従業員・社員)と事業主(会社)との間に生じた民事に関する紛争については、「労働審判」という手続がよく用いられています。

例えば、解雇された労働者(従業員・社員)が解雇は無効だと主張して雇用契約上の権利を有する地位(従業員)にあることを確認することを求めたり、時間外手当(残業代)の支払を求めたりするような場合が、労働審判の用いられる典型的な場面です。

労働審判は、裁判官1名と労働審判員2名で構成された労働審判委員会が、原則として3回以内の期日で、労働者(従業員・社員)と使用者(経営者)の言い分を考慮した上での調停(和解による解決)を試み、調停ができないときは事案の実情に即した審判を行う手続です。

 

2 労働審判の対応はぜひ弁護士に依頼すべきです!

労働審判については、「3回以内の期日で」と言われてはいますが、通常、1回目の期日で方向性は固まってしまうので、十分な準備をしないで出席すれば命取りになりかねません。したがって、労働審判が申し立てられたら、弁護士に依頼する必要性が特に高いです。

しかも、方向性が決まってしまうという1回目の期日は、原則として労働者(従業員・社員)の申立てから40日以内の日を一方的に決められてしまいますので、反論(答弁書作成)と証拠提出の準備にかけられる時間は想像以上に短いです。

そうすると、労働審判を申し立てられてから弁護士を探すのではタイムロスが生じてしまい、準備不足に陥るおそれがあります。

というのも、弁護士が、使用者(会社)と労働者(従業員・社員)がそれぞれどのような方で、これまでどのようなトラブルの経緯があって労働審判を申し立てられるに至ったのか、使用者(会社)側の言い分はどのようなもので、それを裏付ける証拠はどのようなものがあるのか、等々、聴取すべき事項・調査すべき事項が山積しているからです。

しかも、労働審判の場合、使用者(会社)側の人物本人も出頭し、重要な事実等を口頭で補充して主張・説明することが求められます。

そうすると、調停期日の振る舞い方を事前に想定して準備する必要があります。

 

3 顧問弁護士の活用により、さらに有利な対応を!

このような労働審判で十分な対応をするには、日頃からその会社に関する情報を把握している弁護士がいるのが一番です。

すなわち、顧問弁護士です。

顧問弁護士であれば、会社の実情を把握しており、労働審判を起こされることもあらかじめ想定しておけますので、その準備も前倒しで行うことができます。

また、労働審判を起こされる前に弁護士による交渉で解決をすることも図れますし、そもそも労働審判まで起こされるリスクを軽減する労務管理体制を築くこともできます。

労働審判という極めて迅速な対応が求められる手続に備えるためにも、会社はぜひ顧問弁護士を置いていただきたいと思います。

当事務所は社会保険労務士とも緊密に提携しておりますので、あらゆる労働問題について迅速かつ的確な対応をするために最適な体制を整えております。

 

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